法人税の中間申告と中間納付について

query_builder 2026/02/02

法人税の中間申告・中間納付は、法人税法の条文に基づき自動的に発生する義務です。

税務署からの通知や法人側の認識とは無関係に、条文上の要件を満たしたかどうかで判断されます。

税務署から案内が来たら対応すればよい、利益が出ていない期は関係ない、多少遅れても問題ないと思っていた、とおっしゃる経営者の方もいらっしゃいますが、この考え方は誤りです。

中間申告・中間納付の制度概要、対象となる条件、申告方法、期限、未対応時の扱いを整理します


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法人税の中間申告・中間納付とは

法人税は原則として、事業年度終了後に確定申告により税額を計算し、申告・納付する仕組みです。

しかし法人税法では、一定の場合には事業年度の途中で法人税の一部を前払いで納付させる中間申告および中間納付があります。

制度上、中間申告は税額を申告する行為、中間納付は税額を納める行為です。

この制度の根拠は法人税法第71条(中間申告)および第72条(仮申告)に置かれています。


中間申告・中間納付が発生する条件

中間申告はすべての法人が対象ではありません。

判断基準は「事業年度が6カ月を超える法人」であり、「前事業年度の確定法人税額が20万円を超えている」ことです。

当期が赤字かどうか、売上が減っているか、資金繰りが厳しいかといった事情は要件に含まれていません。

事業年度が6か月以下の法人にも中間申告義務は発生しません。


ここでいう「前事業年度の確定法人税額」とは、法人税法第71条第1項に定める「前事業年度の確定法人税額」を指します。

この金額には地方法人税は含まれますが、地方税である法人住民税や法人事業税は含まれません。


中間申告の時期と期限

中間申告は、事業年度開始の日から6か月を経過した日を基準として行われます。

申告、納付期限は6か月経過日から2か月以内です。

事業年度が4月1日から3月31日までの法人の場合、中間対象期間は4月1日から9月30日まで、申告・納付期限は11月30日となります。

期限が土曜日、日曜日または祝日に当たる場合は、その翌日が期限となります。


税務署からの通知


以前は中間納付義務がある場合、所轄の税務署から前年実績による中間納付額が印字された納付書が送付されていました。

現在は、中小企業の場合書面で申告している場合は中間の納付書は送付されますが、電子申告で提出している場合は消費税の中間納付のみの送付となっています。

法人税、地方法人税の納付書は送付されませんが、届かないからと言って中間納付義務がないとは限りません。

電子申告の場合、郵送で通知が来るのではなく、e-Taxのメッセージボックスに通知が格納されるので、こちらの確認が必要となります。


2種類の中間申告の方法

法人税の中間申告には、予定申告と仮決算による中間申告の2つの方法が認められています。

どちらを採用するかは法人の自由ですが、あえて仮決算を選択する、又は予定申告にする、のいずれかとなります。


予定申告の仕組みと計算方法

予定申告は、前期の確定法人税額を基準に算定する方法です。

原則的な計算式「前期法人税額 × 6/前期の月数」で、前事業年度が12か月である場合は、前期法人税額を2分の1した金額が中間納付税額となります。

前事業年度が12か月未満または12か月超の場合は、月数に応じて按分計算を行います。


予定申告の場合計算は前期実績に基づくため、当期の業績が赤字であっても中間納付税額は発生します。


みなし申告

予定申告の場合、法人税法第73条により、中間申告書を提出しなくても「申告があったもの」とみなされます。

このため、申告書を出していない、税務署から何も届いていないという状態であっても、納付義務は成立します。


中間納付の義務がある場合に、中間申告書の提出期限までに仮決算による中間申告書が提出されていない場合、予定申告が成立するので、仮決算を検討しているときは注意が必要です。


仮決算による中間申告の仕組み

仮決算による中間申告は、事業年度の途中で仮に決算を行い、その時点の利益に基づいて中間税額を計算する方法です。

法人税法第72条第1項各号に規定される方法であり、中間申告書の提出が必要となります。


仮決算による中間申告では、事業年度開始の日から6か月間を一つの事業年度とみなして、法人税額を計算します。

計算方法は通常の確定申告と同様であり、収益から費用を差し引いて所得金額を算出し、税率を乗じて税額を計算します。

仮決算の結果、所得がゼロまたはマイナスであれば、中間法人税額はゼロとなります。

予定申告は必ず納付税額が生じるのに対し、仮決算は税額が生じないケースがあり、この点が予定申告との大きく異なります。


ただし仮決算による中間申告を行う場合でも、決算書および法人税申告書の作成が必要となるため、予定申告に比べて事務負担は大きくなります。


予定申告と仮決算の比較

予定申告と仮決算による中間申告の制度上の違いは次のとおりです。


予定申告は前期の税額を基準とし、納付のみで申告書の提出はしなくても問題ありません。

納付額は固定されており、事務負担は小さくなります。


仮決算は当期途中の実績を基準とし、申告書の提出が必要です。

納付額は実績により変動し、事務負担は大きくなります。


前期と比べて当期の業績が悪い、資金繰りが厳しいといった特別な事情がない限り、予定申告を選択する方が多いです。


未納となった場合のペナルティ

期限までに中間納付を行わなかった場合延滞税が発生します。

延滞税は納期限の翌日から完納する日までの日数に応じて計算され、納付期限の翌日から2ヵ月を超えるまでは原則7.3%、2ヵ月を超えてからは原則14.6%の税率で算出されます。


中間納付分は確定申告時に本税と合わせて精算されます。

未納の場合は延滞税も納付する必要があります。

なお中間申告書を提出しなかったことに対する無申告加算税は、予定申告(みなし申告)の場合は課されません。

これは申告があったものとみなされるためです。


中間納付の精算

制度上、中間納付した税額は確定申告で必ず精算されます。

確定申告において計算した年税額から中間納付税額を差し引き、残額を納付し、中間納付税額が年税額を上回る場合は還付されます。

このため中間納付そのものが最終税額になることはありません。

確定申告における中間納付税額の記載

確定申告書には、中間納付税額を記載する欄があります。

別表一の「既に納付した法人税額及び還付される法人税額」の欄に、中間納付税額を記載します。

合わせて別表五(二)に、その中間納付について会計処理と合わせて記載します。

確定申告時に納付するときは損金経理、還付になるときは仮払経理の処理が多いのではないかと思います。


まとめ

法人税の中間申告・中間納付は、法人税法の規定により発生する義務です。

前期法人税額が20万円を超える場合、中間申告義務が発生します。


原則は予定申告であり、申告書を提出しなくてもみなし申告は成立します。

仮決算による中間申告を選択すれば、当期の実績に基づいて税額を計算できるので、赤字の場合は税額ゼロとなる可能性がありますが、申告書の作成が必要となります。

いずれも期限は事業年度開始6か月経過後2か月以内です。


中間納付は要件さえ満たせば法人側の認識や税務署の通知とは無関係に成立するため、見落とさないように注意が必要です。

もし不安に思えば、税務署や専門家に相談してください。


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